12月10日の皆既月食は、お台場海浜公園で行われた観望会でスタッフをしながら見ていた。月刊天文ガイドが主催で、ビクセンが協力の皆既月食観望イベントだ。今まで皆既月食は天候に恵まれなかったので、皆既月食を見るのははじめてだった。
東京に来ても関東での観望会の協力依頼やお誘いもあり、天文の地域を超えての繋がりの広さを感じている。狭い業界なので、地域の広さはあんまり関係ないのだろう。とは言っても職業柄土日祝日は休みを取れないので、残念がらお断りしてしまうことが多くなっている。今回の皆既月食は土曜日だけど、なんとか早上がりさせてもらい、それから首都高速を飛ばして遅れて現地入りした。
事前に朝日新聞などに告知していたこともあり、やはりすごい人だった。お台場海浜公園はフジテレビの目の前で、レインボーブリッジがよく見えるスポットだ。さらにそのバックに東京タワーが見えていて、一度で二度楽しめる絶景ポイントだ。カップルや家族連れも多く、多くの人で賑わっていた。TV局のカメラも4、5台ほど来ていて、大手が観望会をやるとこうなるかと物珍しげに見てしまった。国立天文台の懸さんによる解説だったのも人気の大きな理由だろう。2時間以上ずっとしゃべり続けてたあの話術には、ただただ関心した。
後から聞いた話、この観望会はスタッフ不足だったらしい。みんな観望会より自分で見たり撮影したいらしく、私もはじめは家で1人で撮影する予定でいた。なのでスタッフとは言いつつも、しょっちゅう抜けて撮影してたので、ずっとスタッフをやり続けてたわけじゃないけど、まぁそれは横に置いておこう。人によっては「自分で見るより人に見せる方が楽しいとか胡散臭い」とか堂々と言う人もいるけど、そもそも観望会やりながら自分も見て楽しんでるわけで、それがなければそもそも観望会のモチベーションなんか続かないだろう。(と、個人的には思うけどね。)
今回の観望会では、ケータイやコンデジでコリメート撮影に挑戦するお客さんが非常に多かった。数少ない貴重な現象を留めておきたいのだろう。とは言ってもケータイでコリメート撮影するのはテクニックがいるので、皆さんなかなか苦戦していたけど。相変わらずキレイに撮れる機種とそうでないのに別れ、相性があるようだ。私が1回生の時にケータイ別の月の写真をまとめた(コレ)けど、あの当時に比べると、今の方が撮りにくくなっているように思う。スマートフォン別コリメート撮影の写真とか並べたら面白そうだ。(誰かやってみてくだいさねっ!)
皆既月食中は幻想的な月に見とれてしまった。けど、あれは望遠鏡で拡大してしまうと赤みが薄れてしまう。肉眼や双眼鏡で見るくらいが皆既中はよさそうだ。好みの問題もあると思うが、望遠鏡や大小いろいろある双眼鏡など、いろいろなバリエーションで見る環境が整ってた今回の観望会では、そういった事を確認することができた。お客さんの方も、そういった事を見比べながら考えられる環境だったのは良い点だと思った。
そんな感じで終わったんやけど、翌朝のNHKニュースで私がバッチリカメラ目線で映ってるのにはビックリした。他にもフジテレビのニュースを1つだけやけどリンク貼っておく。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00213309.html
話は変わるが、山梨県立科学館に設置されている夜空の明るさ観測するカメラで、皆既月食中の明るさの測定結果がある。これを見ると、いかに月が夜空を照らしているのかがよく分かる。余談やけど、これやってる方にお誘い頂いたわけで。
http://www.kodan.jp/sky_brightness_lunar_eclipse_20111210/
それにしても皆既月食は肉眼でも楽しめるので、日本中で多くの人が月を見上げたはず。なんで月が暗くなってるんやろう?なんで赤いんやろう?なんで次は3年後なんやろう?? なんて疑問を持ってもらえれば、もっともっと面白くなるのに。いろんな意味で。
▼バックにレインボーブリッジと東京タワー。右側の後ろ姿が、解説している懸さん。
▼取材の様子。
▼フジテレビ前。
▼翌朝のNHKニュースに映ってるで。(゚д゚)!