
天体望遠鏡は口径が大きければ大きいほどよいとされている。しかし予算や使い勝手、持ち運びを考えると、果たしてどれくらいの大きさが良いのかとふと考えることがある。
私は8cm屈折と、28cmシュミカセ(C11)を持っている。大学時代に後先考えずにアホみたいにデカイC11を買ったものの、就職後は関東で転勤族となり実家で冬眠状態だった。バラせない鏡筒&フォーク式経緯台で30kgあるのだ。とてもじゃないけど、持っていく気にはなれなかった。
一方で8cmは関東に持って行ってた。小6の時にお年玉を貯めて買ったものを、現役バリバリで使っていたのだ。一般に入門機として8cm屈折がポピュラーだけど、やはりその扱いやすさは大型の望遠鏡に買い換えても変わらない。さすがにC11から8cmだといろいろとアレなものの、使用頻度からのコスパはかなり高い望遠鏡だ。
もちろん大口径にも手軽なものはある。ドブソニアンは軽いし、分解してコンパクトになるものもある。自動追尾や自動導入に対応したモデルもあるし、これはかなり使い勝手が良さそうだ。
一方で写真も撮れて、かつ転勤族仕様な望遠鏡となると!?
一時はこれを考え、8〜10cmの屈折EDを、経緯台 or ドイツ式赤道儀に乗せようと検討したこともある。でもC11を宝の持ち腐れにしてる上にさらに機材を買うのも気が引けて、結局買わずじまいだった。
いろんなサイズの口径があり、やはり大きいほど見え味は申し分ない。しかし使い勝手の面で一概に大きければいいとは限らないということを実感している。また口径が大きいほど低倍率が出しにくいので、広がりのある天体を見にくくなるデメリットもある。様々な生活環境やニーズがあり、それに伴った口径が一番よいのだろう。そんなこと初めから分かってる話かもしれないが、後に身を持って感じている。贅沢な悩みかもしれないが、それは横に置いておこう。
「最もよい望遠鏡とは、最もよく使う望遠鏡」
いや、これほんまにその通りです!!
(でも、C11は手放しません。笑。)