
以前にテレビ東京のカンブリア宮殿で、錦見鋳造の魔法のフライパンが紹介されていた。鋳造のフライパンで、厚さは驚異の1.5mm。熱伝導率が高いため、料理が美味しくなるという。さてはどんなもとかと注文したが、その時点で1年7ヶ月待ちだった。手作りだから大量生産できないらしい。そしてようやく届いた。熱伝導率は半端なく料理も美味しい。待ったかいがあり、いい買い物だった。
大卒で就職してから、フライパンや鍋はずっとT-falだった。当時住んでたレオパレスの狭小キッチンでは、取っ手が取れるのはかなり便利で重要だった。ただいかんせんテフロン加工のフライパンでは火の入り方が悪い。調理時間も長くかかり、味も普通だ。飲食業で毎日業務用のIHやコンロを使用していたので、そもそも火力が違うし所詮は家庭料理だと諦めていた。しかし魔法のフライパンを知り、熱伝導率が高ければ家庭の火力でも美味しくなることを知ったのだ。
▼熱伝導率の違い。錦見鋳造のHPより。

いざ注文したもののやはり全然来ない。そこにコロナで緊急事態宣言が発令され、自宅にいる時間が多くなり自炊することが多くなった。すると改めて気になるのだ。家庭のコンロは火力が弱い。そして美味しくない。業務用はメンテで手間がかかるので自宅では使わないスタンスだったけど、待ちきれず鉄フライパンを購入した。そして購入したのがリバーライトの極だ。日本製で百貨店なども目にする。そこそこ値が張るけど軽いのは特筆すべき点だろう。そして何より料理が美味しい。家庭の火力でもこんなに味が変わるのかと、改めて知ったものだ。
▼リバーライト 極

その後魔法のフライパンが到着。まず思ったのがリバーライトよりも更に軽量だ。テフロン加工のフライパンともほとんど変わらず、女性でも難なく扱えるだろう。業務用の鉄フライパンは筋トレ並に重いので、この「軽さ」は家庭料理で扱う女性にはかなり嬉しいだろう。そして熱伝導率の高さは鉄フライパンを上回る。家庭のコンロでも、火力を弱めてしまうくらいによく火が通る。そして何より料理が美味しい。肉や野菜炒めをするとその違いがよく分かる。それは店の味に近い。家庭の火力でこの味が出せるのは本当に驚きだ。カンブリア宮殿で紹介されるのも納得だ。今までなぜテフロン加工のフライパンを使っていたのか自問自答したくなるし、もう自宅でもテフロン加工のフライパンに戻ることはないだろう。
▼油淋鶏。中火と弱火の間だけど、ソースが沸騰している。

一方でデメリットもある。ノーメンテナンスで使えるテフロン加工とは違い、手入れが必要だ。錆止めや焦げ付きを防ぐ油返しなど、すぐには調理できないし、調理後もそのまま放置とはいかない。とにかく手がかかる。メンテナンスや面倒くさいことが嫌いな人にはそもそも向かないだろう。はじめからオススメしない。しかしいいものや美味しいものを作るには手間暇がかかるものだ。楽していい物はできない。それを惜しまない人にはオススメだ。(鉄フライパンはひっつくイメージを持つ人が多いが、ちゃんと使えばテフロン加工よりもひっつきにくいし簡単に汚れがツルンと落ちる。)
テフロン加工とは違い、使うほどに油が馴染んで育っていく。面倒くささも育てる楽しみに変わるし、大切に使えば半永久的に長く使える。安物をコロコロ買い換えるのではなく、いい物を大切に使っていきたいと思う。ちなみに今の魔法のフライパンの納期は約4年らしい。欲しい方はお早めに。後はいい道具を使いこなせるように料理の腕を磨かないといけないが、それはぼちぼちということです。
▼錦見鋳造株式会社 | 魔法のフライパンで、いつもの料理が感動の美味しさに
https://www.nisikimi.co.jp/
▼業務用の鉄フライパン。リーズナボーだけど、筋トレなみに重い。女性には厳しい。
